この1年の変化
ちょうど現在の生活になる2、3ヶ月前。
私は病院を退職し、バンクーバーへ語学留学に来た。
語学学校には各国から生徒が集まり、バラエティー豊かなコースから好きな授業を選択し、新しい環境に毎日ワクワクしていた。
バンクーバーでの生活に慣れてきて、学校のアクティビティやボランティア、公共図書館のコミュニケーションクラブに参加する予定だった矢先、ロックダウンとなった。
仲良くなった友達はもちろん、大勢のクラスメートが次々と帰国していった。
混乱の中の突然の出来事で、お別れも言えないまま帰ってしまった。
そんな中、私はバンクーバーに残った。
ホームステイ先では新しい入居者を受け入れなくなり、滞在者は私だけとなった。
授業は完全にオンラインとなり、事実上誰とも会えなくなった。
弱々しいインターネットと慣れないZoom。
先生を含め、少人数となってしまったクラスメートと協力しながら、なんとか授業が進んで行った。
英語を第二言語とする方への教授法をカレッジで受講していた時もオンラインだったため、デモとして私たち生徒が授業をする時もオンラインを駆使して行った。
現在は通学が再開し、マスクや時間、人数などの制限はあるものの、先生やクラスメートと直接会うことができるようになった。
ロックダウンが始まった時の、楽しみが全て奪われるような絶望感。
今までの生活にいつ戻れるのだろうという不安感。
そして、インターネットが繋がらない苛立ち。
今もコロナによるストレスは絶えない。
そんな1年間、私の中で変わったもの。
小さな変化は、タブレット端末を現地で購入し、最先端のテクノロジーに触れるようになったこと。今まで避けてきたSNSを活用するようになったこと。テキストではなくテレビ電話をするようになったこと。Facebookのコミュニティに参加するようになったこと。
大きな変化は、マインドセットの見つめ直し。不安やストレスと向き合う中で、自分の心や思考との対峙は必須だった。心理学の本を読み、大学の無料オンラインコースを受講し、YouTubeでもライフスタイルやスピリチュアルについて学び、今まで後回しにしてきてしまった自己肯定感の低さ、自己受容をケアするようになった。
自己価値に対する考え方。
お金に対する考え方。
勉強・仕事に対する考え方。
家事に対する考え方。
家族やパートナーに対する考え方。
命を削りながら働きつつ、残業代はもらわなかったこと。
家事を全てこなさないといけないと責めていたこと。
勉強したことが全然身についていないと自信をなくしたこと。
私には何もできないと無価値に感じていたこと。
ようやく今までの自分の努力を認めて、褒めて、抱きしめることができた。
そして、ネガティブな感情は全て自分が作り上げたものであって、真実ではないことを理解することができた。
いつでも家族、パートナー、友達、先生、SNSのコミュニティメンバーは繋がってくれている。世界中の人が支え合って今を生きている。
マインドの成長と全ての人・ものへの感謝。
今の私の生活は以前よりも輝いていて、充実している。
やっと大切なものに気付けたこと。それがこの1年間の変化。
趣味との出会い
普段の日常の中で、ふと趣味に出会うことがある。
20代後半になり、ある人の紹介で読書が趣味のひとつになった。
小さい頃は外で遊ぶことが好きで、読書はあまりしなかった。
学校で義務付けられている図書の本と、教科書や問題集、テストに載っている物語や評論のみ。
ある日、職場の先輩が本を薦めてきた。
そして私が入院している時もオススメの本を貸してくれた。
それがきっかけで次第に本を読むようになり、今も続いている。
さて、私が思う趣味とは、定期的にするものやプロフェッショナルないものではなく、単に心が安らぐもの、自分に合っていると感じられるものである。
例えば、園芸。私は室内で植物を育てている、というよりも一緒に暮らしている。様子を見てお水をあげる。時に静かに眺める。それだけだが、それも趣味。
これは、現在の彼がジャスミンの植木鉢をくれたことがきっかけだ。
以前は趣味を作りたいと自ら探していたが、どれも続かず、結局見つからなかった。ただし今は、新しい趣味と出会うことができる。誰かが与えてくれたり、偶然出会ったり。その道の専門ではないけれど、特技ではなく、あくまで趣味だから。心が満たされるならいい。